早期退職 / 不動産収入 / 判断基準
会社員を辞める前に確認したい6つの数字。不動産収入で暮らせるかの判断方法
家賃収入が給与に近づくと、「もう会社を辞めても暮らせるのでは」と考え始めます。ただし、家賃の額面と生活に使えるお金は別です。私は31年間会社員を続け、不動産やコインランドリーなどの事業を育てた後に早期退職しました。判断前に見たのは、生活費、不動産の実質手残り、悪い年の収支、現金余力、借入条件、別の収入源という6つです。
この記事で分かること
- 家賃収入から生活に使える手残りを出す方法
- 空室と修繕が重なる弱気ケースの作り方
- 会社を辞める前に家族と確認する6つの数字
結論
不動産収入で会社を辞められるかは、年間家賃や表面利回りだけでは判断できません。退職後の年間生活費を、不動産の税引後・修繕積立後の手残りと、他の継続収入で無理なく賄えるかを確認します。そのうえで、空室と大きな修繕が同時に起きても現金が尽きず、借入や売却の選択肢を残せることが重要です。
私にとって早期退職は「家賃が給与を超えた日」ではなく、会社に残る価値と、自分が事業へ入る価値を数字と家族の負荷で比較した結果でした。
家賃収入の額面と、暮らしに使えるお金は違う
毎月100万円の家賃が入っても、100万円を生活費には使えません。ローン返済、管理費、固定資産税、保険、募集費、原状回復、将来の大規模修繕を引いた後に残る金額を見る必要があります。さらに、会社を辞めた後は給与天引きだった社会保険料などの負担も家計側で確認します。
退職判断では、収入の大きさより「悪い月にも現金が残る構造か」を見ます。次の6項目を、直近12か月の実績と弱気ケースの両方で置いてください。
1. 退職後の年間生活費
最初に出すのは必要な家賃収入ではなく、退職後に家計から出ていく年間額です。住居費、食費、光熱費、教育費、保険、車、旅行などに加え、会社員時代と負担方法が変わる税金・社会保険も確認します。
直近12か月の家計実績を基準にし、「最低限」「現在と同じ」「ゆとりあり」の3段階に分けると、退職後に削る必要がある支出も見えます。制度や負担額は年齢、家族構成、所得、自治体で変わるため、個別額は自治体や専門家へ確認してください。
2. 不動産の実質手残り
直近12か月の家賃収入から、ローン返済、管理、税金、保険、募集、原状回復、日常修繕を引きます。年払いの費用は12で割り、毎月の数字へ直します。さらに、将来の設備交換や大規模修繕の積立分を別に残します。
帳簿上の利益、口座に入った家賃、生活に使える現金は同じではありません。退職の判断材料にするのは、税金と修繕への備えを差し引いた後の現金です。
3. 空室と修繕が重なる年の手残り
通常年だけでなく、弱気ケースを作ります。私は最初に賃貸へ出した自宅マンションで、入居が決まるまで約1年かかりました。満室前提だけで退職を決めていたら、家賃が入らない期間に選択肢を失っていたはずです。
家賃を10%下げ、空室期間を長めに置き、給湯器や外壁などの修繕が重なった場合でも、年間生活費を賄えるかを試します。赤字になるなら、何か月持つか、どの支出を止めるか、いつ売却や再就職を検討するかまで決めます。
4. 給与がなくても耐えられる現金月数
現金余力は「貯金額」だけでなく、生活費と不動産固定費の何か月分かで見ます。退職直後に空室、税金、大きな修繕が重なっても、物件を急いで売らずに判断できる期間を確保します。
生活防衛資金と不動産の修繕資金は分けます。修繕費を生活へ使う、または生活費を物件へ入れ続ける状態になると、事業と家計のどちらが危ないのか分からなくなります。
5. 退職後も維持できる借入条件と出口
会社員の給与と信用がある間に組めた融資が、退職後も同じ条件で増やせるとは限りません。既存借入の返済予定、金利上昇時の返済額、次の修繕資金の調達方法、売却時の残債を確認します。
退職前に新規融資を急ぐという意味ではありません。給与がなくなった後に、借り換え、追加融資、売却の選択肢がどう変わるかを金融機関や専門家へ確認し、借りられない前提でも運営を続けられるかを見るためです。
6. 不動産以外の継続収入と戻る条件
収入源を不動産だけに絞ると、地域の家賃下落、災害、金利、法規制など一つの変化が家計へ直結します。年金の受給開始までの年数、配当、事業収入、短時間の仕事など、家賃以外の継続収入を分けて書きます。
同時に「現金が何か月分を下回ったら仕事を増やす」「弱気ケースの赤字が続いたら物件を売る」など、戻る条件も決めます。早期退職は二度と働かない宣言ではなく、時間の配分を変える判断です。
私が31年勤めた会社を離れた判断
不動産やコインランドリーなどの事業が大きくなると、現場判断、資金繰り、管理、改善、次の打ち手が増えました。家族、とくに妻のサポートだけで支えるには限界が見え、自分が事業へ入る必要がありました。
会社に残る安定収入、肩書き、社会的信用と、自分が事業へ入ることで増える収益、自由度、改善速度を比較しました。結論は、収入を捨てることではなく、次に伸ばす場所へ時間を移すことでした。ただし、その判断を支えたのは勢いではなく、現金、事業の状態、家族との認識、悪いケースへの備えです。
退職前に1枚へまとめる6行
- 年間生活費:最低限、現在と同じ、ゆとりありの3段階
- 実質手残り:税金と修繕積立まで引いた直近12か月の現金
- 弱気ケース:空室、家賃低下、大修繕が重なった年間収支
- 現金月数:生活費と不動産固定費を何か月払えるか
- 借入と出口:金利上昇、追加調達、売却時残債への対応
- 代替収入と戻る条件:家賃以外の収入、仕事や売却を再検討する基準
不動産投資そのものの収支と出口を基礎から確認したい方は、同じ運営者が実体験を整理した専門サイトの初心者ガイドも参照できます。
6つの数字を並べて、辞める・待つ・働き方を変えるを比較します
初回判断整理相談では、早期退職を勧めるのではなく、不足している数字と弱い前提を整理します。家族へ説明できる1枚にまとめ、次に確認する相手と期限を決めます。
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