Norikの日々の記録

「交換したほうがいい」と言われなかったから、自分で決められた

昼前、定期点検で車を預けた。担当の人は、作業に入る前に下から順番に見せてくれた。タイヤの溝が左右でどれだけ残っているか。ブレーキの部品にどれだけ厚みがあるか。ゴムに細かなひびが出ていること。油脂類やフィルターの交換時期、年数が経ったバッテリーのこと。

私は何度もこの車へ乗っているのに、説明された箇所をほとんど見たことがなかった。異音もなく、走りも変わらない。それでも、見えないところでは静かに減っていた。

先に現状と残量、そのあとに選択肢

説明の順番が印象に残った。まず現物を見せ、数字で残量を伝える。そのあとで、今回替えるものと、次まで持たせられるものを分ける。最初から「全部替えましょう」とは言われなかった。

前の点検で言われた「そろそろ」が、今回は数字として減っていた。あの言葉は曖昧な勧めではなく、次に見るときの予告だったのだと思った。

走った距離が少なくても、年数で劣化する部分があることも聞いた。「使っていないから減っていない」は、自分の思い込みだった。目に見える使用量だけでは測れない減り方もある。

説得せず、決める材料を返す

もし説明なしに全部の交換を勧められたら、私は反発したと思う。反対に「まだ大丈夫」とだけ言われたら、何も考えず帰ったかもしれない。どちらも、決めているのは相手だ。

この日は、現状、残量、今替えた場合、次まで待った場合を並べてもらった。話を聞き終えるころには、自分で決められていた。売り込まれた感じがなかったのは、結論を押しつけられなかったからだ。

私は提案するとき、結論を先に言ってから理由を足しがちだ。それでは相手の判断を急がせる。現状を見せ、どれだけ余裕があるかを示し、選択肢を並べる。決める権利を相手へ返したほうが、あとで揺り戻しが起きにくい。車の点検で、その順番を教わった。

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