地図では分からなかった、坂の上の物件までの細い道
昼過ぎ、気になっていた物件を見に行きました。事前に地図も見ていたので、場所まで行けば何とかなるだろうと思っていました。ところが近づくにつれ、入口はどちら側なのか、途中で曲がれるのか、着いた後に車をどこへ置くのか、分かっていないことが次々に出てきました。
私の最初の判断は、少し浅かったと思います。物件そのものと周辺の地図を見れば、現地確認の準備はできているつもりでした。駐車場も、図面や写真に台数が書かれていれば足りると考えていました。
物件より先に、道で立ち止まった
実際の道は、想像していたより細いものでした。対向車が来たら面倒だと思う場所が何度かあり、そのたびに速度を落としました。途中にはガードレールがあり、坂もあります。曲がってすぐの部分は特に窮屈で、大きな車なら一度で入るのは難しそうでした。
地図では一本の線に見えていた道が、現地では幅も傾きも、曲がった先の見え方も違います。写真を何枚見ても、運転席から感じる圧迫感までは分かりませんでした。
駐車場も、何台置けるかだけの問題ではありませんでした。上のほうと下のほうでは条件が違います。誰がどこを使うのか、出る車と入る車の動線がぶつからないか、その中間の場所をどう扱うか。現地に立って初めて、確認すべきことが台数から動線へ変わりました。
奥の道が行き止まりなのか、別の道へ抜けられるのかも、その場では分かりませんでした。少し進んで戻り、また別の方向へ進んで戻る。効率のよい見方ではありませんが、ここを曖昧にしたまま帰ると、後で都合のよい想像に置き換えてしまいます。
今は、建物を見る前に使う場面を歩く
現地へ行く前は、建物の形や広さ、初期費用の話が中心でした。現地へ着くと、判断の中心は道と駐車場へ移りました。物件が良くても、毎日の出入りに無理があれば、住む人や使う人の負担になります。後から簡単に直せない部分ほど、先に見なければいけません。
今なら、物件を見る時は建物だけを見ません。自分が初めて来た人のつもりで入口を探し、実際に曲がり、車を置き、そこから建物まで歩きます。雨の日や夜、大きな車、対向車が来た時も考えます。図面にない不便を、自分の体で確かめます。
一度だけ通れたから大丈夫、ではありません。そこを毎日使う人が、毎回同じ緊張を強いられないか。来客が迷った時に説明できるか。現地で見るべきなのは、通行できるかどうかより、無理なく使い続けられるかどうかでした。
フライトでも、地図上の線だけを見て飛ぶわけではありません。天候や風、使える場所を確認し、予定どおりにいかなければ別の選択肢を持ちます。物件を見る時も同じで、目的地だけでなく、そこへ安全に入り、無理なく出られるかまでが計画です。
この日は、物件について結論を出す日というより、自分が何を見落としていたかを知る日になりました。地図を見て分かったつもりになっている場所はないか。次に物件を見る時は、まずそこから疑いたいと思います。
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