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判断材料を次の人へ渡す
私が残したいのは「これをすれば成功する」という答えではありません。何を見て、どこで迷い、なぜ方針を変えたのか。読む人が自分の状況に置き換えて考えられる材料です。
結果だけでは、判断を再現できない
同じ物件、同じ事業、同じ方法でも、資金、経験、家族、地域、使える時間が違えば答えは変わります。成功したという結論だけをまねても、その人に合うとは限りません。
だから、売上だけでなく手残りを見る、想定利回りだけでなく修繕や空室を考える、導入した道具だけでなく解決したかった問題を説明する。結論に至るまでの条件を伝えることを大切にしています。
見落としたことと、方針を変えた場所も残す
最初の計画がそのまま正しかったように書けば、読みやすい成功談にはなります。しかし現実の事業では、予想外の修繕、集客の変化、相手との認識違いが起こります。
何を見落としたのか、どの数字で異変に気づいたのか、続けるか撤退するかをどう考えたのか。きれいではない部分にこそ、次の人が同じ失敗を避ける手がかりがあります。
私の経験を、読者の正解にしない
経験を伝える時に気をつけているのは、「私の場合」と「誰にでも当てはまること」を混同しないことです。私に合った選択が、別の人にも最善とは限りません。
記事では、判断に使った数字、選択肢、リスク、前提をできるだけ分けます。読む人が賛成するためではなく、自分の状況に合う問いを持ち帰れるようにするためです。
必要な時だけ、一緒に整理する
記事を読んで自分で判断できれば、それが一番です。それでも、条件が複雑で整理しにくい時や、数字と気持ちが噛み合わない時があります。そのような時には、状況を聞き、選択肢と判断材料を一緒に整理します。
答えを押しつけるのではなく、本人が納得して選べる状態をつくる。それが、経験を次の人へ渡すということだと考えています。