2026-09-06
一人でどこまでやれるか、という数え方をやめます

夜、ジムで体を動かしながら動画を見ていました。ある通信会社の、年に一度の大きなイベントの講演です。そこで、エージェントが百兆個動く、という話が出てきました。人が一人でできることの限界を、そちら側で埋めていくという話でした。走りながら聞いていたので、数字だけが頭に残りました。百兆個です。
正直に言うと、その場では自分に関係のある話として聞いていませんでした。桁が違いすぎるからです。私が使っているのは、サイトの文章を直させたり、動画の企画を出させたり、その程度のことです。便利な道具を一つ二つ持っている、くらいの認識でいました。
ただ、聞いているうちに思い出したことがあります。今のこのサイトは、一年近く前まで何もありませんでした。自分がしてきた会話、送ったメール、それまでに書いた文章を全部読ませて、形にしてもらったものです。以前は人に頼んでいた仕事も、今は手を離れています。私は道具を一つ持っていたのではなく、自分の代わりに動くものを、気づかないうちに何個か作っていたことになります。
増やすのは時間ではなく、分身のほう
この一年、私が考えていたのは「どうすれば一人でもっと回せるか」でした。朝を早くする、移動中に電話をかける、同じ作業を短くする。増やそうとしていたのは自分の時間です。けれど、自分の時間には上限があります。一日は二十四時間しかなく、そのうち動ける時間はもっと短い。上限のあるものを増やそうとしていたわけです。
百兆という数字が引っかかったのは、たぶんそこでした。あちら側には上限がない。数の話をしているのに、私は時間の話をしていた。同じことを言っているつもりで、まるで違うことを数えていたのだと思います。
私は今、一日のほとんどを録音しています。首から下げた小さな機械が、電話も打ち合わせも、こういう独り言まで拾っています。そのままでは、ただ溜まっていく音の記録です。読ませて、意味のあるものに変えさせて、はじめて手が増えたことになります。溜めることと、動かすことは別の話でした。
だから、これからは数え方を変えます。一人でどこまでやれるかではなく、自分の代わりに動くものを何個作れたか。名前も看板もこのままですが、数えるものだけを入れ替えます。いずれは画面の中だけでなく、体を持ったものにも自分の代わりをしてもらいたい、というところまで考えています。今の時点では夢の話です。
ただし、一つだけ順番があります。渡す先が増えても、何を渡すかを決めるのは自分です。自分がどうやっているのか説明できない仕事は、渡しようがありません。実際、うまく任せられたものは、どれも先に手順を言葉にできていたものでした。次からはこう決めます。新しい仕事を引き受けたら、まず自分でやる仕事か渡せる仕事かを分けて、渡せる側は最初から渡す前提で手順を書いておく。
いま抱えている仕事のうち、あなた自身でなければできないものは、本当は何個あるでしょうか。
関連:初めての外注、選び方と頼み方|金額と納期の前に確かめること
週1回、その週の実践記録のまとめと、オンラインサロン(2026年10月開講)の先行案内をLINEでお送りしています。
LINEで友だち追加する