2026-09-19
一人でやるなら、指摘役は自分で用意する

土曜の朝、支度をしながら音声配信を流していました。個人でやっている番組で、その日のテーマはAIの使い方でした。聞き流すつもりだったのに、冒頭の整理で手が止まりました。
AIを使う人は大きく二種類に分かれる、という話でした。何かを出すたびに褒めてもらうために使う人と、自分ができていないところを指摘してもらうために使う人。話し手は後者で、毎日のように詰められているけれど、それが心地よいのだといいます。褒められて伸びる人と、厳しくされて伸びる人がいる、という整理でした。
その時点で私が確かめていなかったのは、自分がどちらの使い方をしているか、でした。
私の頼み方は、ほとんどが確認だった
思い返すと、私がAIに出しているのは、これでいいかを確かめる頼み方がほとんどです。考えた案を渡して、整えてもらう。出てきたものが自分の考えに近いと、納得して次へ進みます。そこに指摘は挟まりません。
一人で仕事をしていると、判断に対して意見が返ってきません。人に見せれば感想はもらえますが、その多くは応援です。悪気があるわけではなく、踏み込む立場にないからです。私が決めた値段が高すぎても、たいてい誰も教えてくれません。厳しく言ってくれる相手は、放っておいて現れるものではない。用意しなければ、ゼロのままです。
配信の話し手も、この整理の直後に言いよどんでいました。これをどう事業に生かすのか、と言いかけて、そこで話が途切れます。整理はついているのに、使い道は決まっていない。刺さったのは、まさにそこでした。厳しく言ってもらったほうがいい、という理屈は私にも分かります。ただ、では明日から何を変えるのか、を決めていませんでした。
変えるのは道具ではなく、頼み方の一行
決めたのは、頼み方を一行だけ変えることです。
これまでは、案を渡して、どう思いますか、と聞いていました。この聞き方だと、たいてい良いところから返ってきます。これからは、褒めなくていいので、この案が失敗するとしたら理由は何か、三つ挙げてください、と頼みます。相手を変えるのではなく、頼み方を変える。同じ相手が、頼み方ひとつで褒め役にも指摘役にもなります。
開業して一年目だと、この差はもっと大きく出ます。相談できる相手がまだいなくて、身近な人に見せても、いいと思うよ、で終わります。初めて作った見積書も、初めて刷ったチラシも、初めて決めた値段も、止められないまま世に出ていきます。止められなかったことを、賛成されたことだと受け取ってしまうのが怖いところです。
今日から使えるのは、頼むときのこの一行です。
「褒めなくていいので、これを受け取った相手が断るとしたら、その理由を三つ挙げてください」
見積書でも、チラシでも、値段でも、そのまま使えます。返ってきた三つのうち一つでも思い当たるなら、出す前に直せます。三つとも的外れなら、それはそれで自信になります。
次からは、確認してもらうのではなく、断る理由を出してもらう。そう決めました。
あなたが最後に「それは甘い」と言われたのは、いつでしょうか。
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