2026-09-20
名前だけで断っていた。条件は一つも聞いていなかった

朝、不動産の仲介をしている方から電話があった。物件を持っている人と、その物件で民泊をやりたい人をつなぐのが私の仕事なので、こういう連絡は珍しくない。
この方からは、前にも一度、同じ物件の件で電話をもらっていた。そのとき私は、建物の種類を聞いた時点で断っている。それはうちでは扱えません、と答えた。時間にして数十秒だったと思う。
今回は最後まで聞いて、前に何も聞いていなかったと分かった
今回は最後まで話を聞いた。用途地域の指定がないので、建物の使い道を変えても問題がない。道路沿いで、駐車場は数十台分ある。中はそのまま使う前提ではなく、作り替える前提で考えてほしい、という話だった。金額も、うちのお客さんが検討できない水準ではなかった。
前に断ったとき、私はこのどれも聞いていない。聞いたのは建物の種類だけだ。相手も途中で、名前を聞いた時点で先入観があるでしょう、という意味のことを言っていた。そのとおりで、私が反応していたのは物件ではなく名前のほうだった。
今回も、受けると決めたわけではない。資料を送ってもらって、数字を見てから判断する。前と違うのは、断るにしても理由が書ける状態になったことだ。
断るのは早くていい。理由が「種類」なのが危ない
断ること自体は悪くない。合わない話に時間を使うほうが損だし、早く断れば相手も次へ行ける。問題は、断った理由が「種類」で止まっているときだ。
条件を聞かずに断ると、手元には何も残らない。比べるものがないので、次に似た話が来ても、また同じところで止まる。実際、私は同じ物件で二度同じ反応をしかけていた。
条件を聞いたうえで断った案件は、記録になる。使い道に制限があるかどうか、規模はどれくらいか、いくらなのか。この三つが分かっていれば、合わなかった理由がそのまま残る。理由が残っていれば、条件が変わったときに拾い直せる。今回起きたのは、まさにそれだった。
開業1年目なら、断り方こそ残しておく
開業して間もないうちは、来る話の当たり外れが分からない。私もそうだった。受けるか断るかで頭がいっぱいになって、断ったあとに何も残らない。だから、半年経っても判断の材料が増えていかない。
受けた案件を記録する人は多い。断った案件を記録する人は少ない。けれど実際には、断った数のほうが多いはずだ。そこを空白のままにしていると、経験の大半を捨てていることになる。
断る前に、条件を三つだけ聞く。制約、規模を示す数字、金額。そのうえで一行書いてから返事をする。「◯◯が◯◯なので、今回は合わない」。◯が埋まらないなら、それは断ったのではなく、まだ見ていないだけだ。
先月あなたが断った話は、理由を一行で書けますか。
関連:断りの返事は一分で出た。私が質問する側に回るまで、そこから五分かかった
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