集客 / 見出し / 問い合わせ

問い合わせが来ないとき、最初に直すのは見出しの一行

来てほしい人は決まっているのに、問い合わせが来ない。私もそうでした。勉強会で自分の集客ページを見てもらって分かったのは、ページ全体が悪いのではなく、見出しが全員に向いていたということでした。ページを作り直す前に、直せる場所があります。

集客ページの見出しを書き直すための作業デスク

この記事で分かること

  • 実績の数字が、読む人によって逆に働く理由
  • ページを作り直さずに、見出しと最初の数行だけを変える方法
  • 絞るか広げるかを、順位ではなく「どう見られるか」で決める考え方
  • 問い合わせが来たあと、最初の三分で聞くこと

正直な前提

来てほしい人は、決まっていました

どんな人に来てほしいですかと聞かれて、私はその場で答えられました。年代も、立場も、どういう物件を持っている人かも。決まっていなかったのは、その人が見出しを読んだときに「自分のことだ」と思える一行でした。ペルソナを決めることと、そのペルソナに届く言葉を書くことは、別の作業です。

結論:ページではなく、見出しを一枚足す

問い合わせが来ないとき、ページ全体を作り直したくなります。ただ、たいてい壊れているのは入口の一行だけです。順番はこうなります。

  • いまのページは消さずに残す
  • 来てほしい人の悩み一つだけに向けて、見出しと最初の数行を変えたページをもう一枚作る
  • その下のサービス説明は、ほとんど共通で構わない

作り直しではなく、入口を増やす。これなら一枚あたりの手間が小さく、どの入口が効いたかも分かります。

同じ数字でも、読む人によって受け取り方が逆になる

水曜の午後、オンラインの勉強会で、作ったページを講師に見てもらう時間がありました。私は何も提出していなかったのですが、順番が回ってきたので、いま実際に使っている集客のページを画面に映しました。

講評は、このページがどこに向けてアピールしているのかが分かりにくい、というものでした。運営の実績の数字を並べているけれど、同じ数字でも、読む人の状況で受け取り方がまったく違う、と。

たとえば、すでに始めていて思ったほど儲かっていない人。自分でやってみて、手間の大きさに疲れた人。これから始めようとしている人。それぞれ響くところが別になります。同じ「運営実績◯件」でも、ある人には安心材料になり、別の人には「自分には関係のない規模の話」に見えます。

だから、どの人に向けるかを先に決めて、その人の悩みを見出しにする。全部やります、より、ここに特化しています、のほうが届くという話でした。

決めていたのは、相手の顔まででした

刺さったのは、来てほしい人を決めていなかったわけではない、という点です。年代も立場も、その場で言えるくらいには決まっていました。

そのページでは、最初の半年から八か月ほど広告を出していました。問い合わせが集まるようになり、受け入れ先がいっぱいになったので今は止めています。それでも問い合わせは入ってきます。つまり、一枚のページが、来てほしい人にも、そうでない人にも、同じ言葉で話しかけていたことになります。

実際、最近の問い合わせは以前と少し違ってきていました。相続した空き家を、なるべくお金をかけずに貸したいという相談が増えています。清掃の人件費が上がって、試算しても合わずに見送りになる話も増えていました。来る人が変わっているのに、見出しは変えていなかったわけです。

見出しを書く前に埋める一行

やり方は具体的でした。悩みごとに、見出しと導入の文章だけを変えたページを作る。その下のサービスの説明は、ほとんど共通でいい。ページを増やすこと自体は、今はそれほど手間ではありません。

見出しを書く前に、この一行を埋めてみてください。
「(どんな状況の)(誰)が、(何に)困っているときに読むページ」
埋められないなら、その見出しはまだ全員に向いています。

埋めた例を並べると、違いが分かりやすくなります。

全員に向けた見出し 一人に向けた見出し
実績◯件。安心のサポート体制 相続した空き家を、お金をかけずに貸したい方へ
何でもご相談ください 自分で運営してみたけれど、手間が続かなかった方へ
初心者から経験者まで対応 始めて半年、思ったほど利益が出ていない方へ

右側は、当てはまらない人を落とします。落としていいのです。落ちた人のために、別の入口を一枚作ればいいからです。

絞るか広げるかは、順位ではなく見え方で決める

入口を分けるとき、必ず出てくるのが「まとめたほうが強いのでは」という話です。

私も同じことを言われました。事業の集客を見てもらう場で、提案が五つ並んで、その一つ目が、都道府県ごとに分けている四十八のサイトを一つに統合しましょう、というものでした。私はその場で、それはないんです、と答えています。

教科書どおりなら統合が正解です。一つにまとめれば評価が集まって検索で強くなる。分ければ一つひとつは弱くなる。それは分かったうえで分けています。

理由は順位そのものではなく、たどり着いた人からどう見えるかです。その県の名前が入っていれば、その地域の会社だと見てもらえる。実際に問い合わせが来ているのも、激戦区ではなく地方でした。

ただ、答えたあとで気づいたことがあります。なぜ分けているのかを、私は一度も書いて残していませんでした。書けないものは方針ではなく、ただの癖かもしれません。

絞るか広げるかを決めるときは、「検索で強いのはどちらか」と「たどり着いた人にどう見えるか」を分けて考え、選んだ理由を一行書いて残す。これだけで、次に同じ提案を受けたときに迷わなくなります。

問い合わせが来たあと、最初の三分で聞くこと

見出しが効いて問い合わせが来ても、次でつまずくことがあります。私の失敗を書いておきます。

木曜の朝、宿泊事業の相談の電話を受けました。まだ物件は買っていない段階で、遠方の一室を買って宿にしたいという話です。近隣への説明が要ること、管理組合が無いことを先に伝えたところまでは、今でも同じことを言います。

問題はその次でした。私はそのまま、その土地で客が集まるかどうかの話に入っています。競合が増えていること、年中人が来る理由がある場所とそうでない場所の差、雪の多い土地は厳しいこと。相手が大都市圏に住んでいると聞いて、お住まいの地域で探されたほうがいい、とまで言いました。

五分ほど話したところで、相手が目的を説明してくれました。今年その土地の祭りに行って気に入った。拠点を一つ持って自分で楽しみたい。行けない間は貸しておければいい。そういう話でした。

投資として回るかどうかを聞かれていたのだと、私はそこまで思い込んでいました。私の答えは全部、儲かるかどうかを軸に組み立ててありました。目的が分かってからは、答えが変わります。自分で使う拠点にして、空いている期間の費用を少しでも戻すのが目的なら、集客が弱い土地でも成立します。同じ物件、同じ土地、同じ雪です。変わったのは、何のために持つのかという前提だけでした。

最初の三分で、この一行を挟んでみてください。
「今回のご相談は、儲けを出すためですか。それともご自身で使うためですか」
言い方はそれぞれの仕事に合わせて変えて構いません。大事なのは、条件を聞く前に置くことです。順番が逆だと、丁寧に答えたつもりで、相手の求めていない採点結果を渡してしまいます。

集める前に、送るものを決めておく

もう一つ、順番を間違えた話です。

LINEの登録が八十九件まで増えたことがありました。登録しているのは、物件を持っている人ではなく、物件を探している人たちです。紹介してほしいという連絡も数件ありました。数だけを見れば増えています。

しかし、その八十九件が何を見て登録したのか、資料を求めた人なのか、相談から入った人なのかを整理できていませんでした。入口が違えば、期待しているものも違います。それなのに、全員を同じ「登録者」として持っていました。

さらに、その人たちへ次に何を送るかも決めていませんでした。集めるところまではやったが、集めた後の仕組みがない。登録者が八十九人いても、何も届けず、何の反応も確かめていなければ、リストを持っているだけです。

だから、人数が増えたことを進捗として数えるのはやめました。新しい人をさらに集める話より、すでにいる人へ何を渡すかを決めるほうが先です。

収益につながる出口の決め方は、記事を増やす前に、収益につながる出口を決めるに書いています。

入口を増やしたあと、何を見るか

見出しを変えた入口を足したら、次は効いたかどうかを確かめます。ここで見る数字を間違えると、また「数だけ増えて成果が出ない」に戻ります。

私は宿泊施設の月次報告で、それをやりました。売上は計画に対して百三十三パーセント、稼働は二十八日。数字だけなら良い報告です。ところが予約の内訳を見ると、以前は自社サイト経由が五割を超えていたのに、今はほぼ一件。今後三か月に至ってはゼロ件でした。代わりに手数料のかかる予約サイトからの流入が増えていて、売上は計画を超えているのに、手元に入る額は削られていました。

「計画を達成した」という報告と、「手残りが減った」という事実が、同じ月に並んでいたわけです。集客の数字だけを見ていると、この並びに気づけません。

見る数字 何が分かるか
入口ごとの問い合わせ件数 どの見出しが当たったか。当たらない入口は言葉を変える
問い合わせの中身 狙った人が来ているか。違う人が来るなら見出しがずれている
実際に成立した件数 件数だけ増えて成立しないなら、入口ではなく条件の問題
手元に残った額 売上が増えても手残りが減ることがある。最後はここで判断する

入口を足した月は、この4つを並べて見ます。1つ目と2つ目が見出しの通知表で、3つ目と4つ目がその先の問題です。混ぜて見ると、見出しを直すべきなのか条件を直すべきなのかが分からなくなります。

今日からやること

  1. いまのページの見出しを読み返し、一行を埋めてみる。「(どんな状況の)(誰)が、(何に)困っているときに読むページ」。埋まらなければ、その見出しは全員に向いています。
  2. いちばん来てほしい人の悩み一つに絞って、もう一枚作る。変えるのは見出しと最初の数行だけ。その下は共通で構いません。いまのページは消さずに残します。
  3. 絞ると決めた理由を一行書いて残す。「統合したほうが強い」と言われたときに、迷わず答えられるようになります。
  4. 問い合わせが来たら、条件を聞く前に目的を聞く。最初の三分で一行挟むだけで、渡す答えが変わります。
  5. 集める前に、送るものを決めておく。入口ごとに分けて、次に何を届けるかを書いてから集め始めます。

まとめ

問い合わせが来ないとき、ページ全体が悪いとは限りません。私の場合、来てほしい人は決まっていて、決まっていなかったのは、その人が「自分のことだ」と思える見出しの一行でした。

実績の数字は、読む人の状況によって受け取り方が変わります。全員に向けて書くと、誰にも自分のことだと思われません。作り直すのではなく、一人に向けた入口を一枚足す。それが、いちばん手間の小さい直し方でした。

あなたのページの見出しは、いま誰に話しかけていますか。

この記事のもとになった実際の記録

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